寝ても覚めても

あなたのことばかり。

見えない誰かを想う、ということ。

10月8日13:00。

 そのとき更新されたとあるブログに感銘を受けて、今こうして久しぶりにはてなブログを立ち上げ、キーを叩いている。

 

10月8日13:00。

 それは、Snow Manデビュー後初の有観客コンサートの初回公演が始まって30分経ったときのこと。目黒くんのブログが更新された。

 その頃私はというと、ちょうど午前の授業が終わったタイミングで、授業中も今頃ツアーが開幕した頃だ、と手元の腕時計の文字盤をぼんやりと見ていた。

 

 開演30分前、観客がずいぶんと集まってきて、ソワソワと浮き足立つ会場。10分前、あたりにほんのりと漂う緊張感。5分前、身支度を整え立ち上がり始める観客たち。間もなくして遠くから聴こえる円陣の声。沸き立つ会場。揺れるペンライトの海。暗転。割れるような歓声。さぁ、幕が開く。

 グループは違えどコンサートの熱狂を知る身からすると、今頃日本のどこかでこれが行われているのかと思うと、羨ましくて、今すぐにでもそこに飛んで行きたくて、でも行ったところでチケットはなくて、俺の手がチケットと豪語するわけにもいかず。何度でも変わらぬ現実を思い知る。そう、私の手にManiaのチケットはない。

 

 もともと学校のスケジュールと折り合わず(それにしても自担の誕生日に試験週間がドン被りなのはどうにかならないものか…学校が動いてほしい。無理だけど)、ご時世的に県を跨ぐのも憚られ、応募フォームの中にアクセスすることすらなく、応募締め切りを迎えた。

 仕方のないこととはいえ、悔しさが募る。いや仕方ないけど。コロナがなくたってきっと応募できてないけど。

 

 学校のスケジュール上、コンサートはじめイベントごとに応募すらできない。やっと応募できたとして当選しない。そんな経験は嵐で山ほど積んできた。だから、1回や2回応募できなくたって、当選しなくたって、割と何食わぬ顔で過ごしていけるだけのメンタルは持ち合わせているはずなのだ。

 そんな私がSnow Manでもろにダメージを食らっているのは、やっぱりデビューして間もないからなんだと思う。何をするにしたって、特殊なご時世も手伝って「はじめて」がついてまわる。それだけに特別感も増す。はじめては一度しかないから。

 

 それに、一番大きいのは、やっぱり、

 一度、行けるはずだったのに行けなかった経験をしているから、だと思う。

 

mylifeismymessage1052.hatenablog.com

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 あのときの忘れ物をまだ取りに行けていない。その未練はとてつもなく大きくて、今でも、うん、今言ったとてどうしようもないけど、すごく、すごく悔しい。思い出しただけで、つらい。

 デビューコンサートのときも、そのあとも、あのとき観客のみんながいてくれたらって、メンバーは口々に言ってくれたし、それはうれしい。それだけに、その夢がようやく叶うというときに、9人の視界に私は存在しないということが、苦しい。私、そこにいるはずだったんだけどなって。

 

 だから、日々メンバーから発信されるコンサートの準備進めてるよ!っていう報告のあれこれが正直苦しかった。それで苦しいと思ってる自分が惨めで大嫌いで。9人にとってはうれしくてワクワクでいっぱいの毎日の1ページを切り取って教えてくれてるのに、それ読んで喜べないなんて。私どこまでねじ曲がってるんだろう。

 

 いざ始まってみれば案外楽になるだろうか。そんなことを思いつつ迎えた初日。初演が始まる時間。今頃横アリは真っ白なペンライトの光に包まれているだろうか。

 

 授業が終わって昼食をとって、午後の授業に備える。何気なくTwitterを開くと、誰かがすの日常を更新したようで、「すの日常」がおすすめトレンドに上がっている。

 そしてこのブログに出会うのだ。10月8日13:00更新の、めめ日。

 

 アイドルは本来、目の前にいる人を幸せにする職業だと思う。

 コンサートも舞台もそう。目の前にいる観客をいかに楽しませ、沸かせ、いい思い出を作って帰ってもらうか。それを第一に考えるお仕事。

 だから、コンサートに参加する人に向けたメンバーからの連日のメッセージは当然のもので。実際に会場で会うことになる人と日々一緒に気持ちを作っていくほうが、当日活きてくるに決まってる。

 

 だからこのブログにはびっくりした。そして、教室でうっかり変な声を出しかけた上に泣きそうになってしまった。

 ツアー初日の、初演の、開始30分後にまさか、「会場にいなかった人だけのためのブログ」を上げるなんて誰も思わない。

 

 思えば、目黒くんは折に触れて、今回会場に行けない人に向けたメッセージを発信してくれていた。パンフレットもそう。(Maniaのパンフレット、写真もテキストも最高なので購入迷ってる方は本当に買った方がいいです。マジで。)

 私は阿部担でありながら目黒くんのブログが大好きなのだが、その一番の理由が「泣けるほどあたたかい」からで。彼の文章は優しさと思いやりと想像力に溢れている。誰のことも下げずに、持ち上げる訳でもなく、素直に真っ直ぐに、今思っていること、考えていることをゆっくりと、のんびりと綴る。そして、見えないブログの向こう側を想像して、こちらに言葉を投げかけてくれる。最近俺はこうだけど、みんなはどう?元気?こちらの体調まで気遣ってくれる文章が泣けるほどあたたかく優しいのだ。どんなに気分の落ちた日でも、めめ日を読み終えたときには、明日も頑張ってみてもいいかな、という気持ちになっている。心が自然と前を向いている。

 

 10月1日にすの日常が自由更新になって、「更新したいときに更新できる」ようになったのを、この上なく上手に使ってくれたことで、私はもう、めちゃくちゃに救われた。だって、かっこいい、だよ?顔も見えないし会場に行く訳でもないオタクのこと、かっこいいって。それをちゃんと言葉にしてくれることが、該当のファンにとってどんなにうれしいことか。目黒くんに見せて恥ずかしくない人間になろう、と背筋が伸びた。午後の授業が始まる。会場から遠く離れた学校で、私も汗を流す。

 

 

目黒くん。

 その見つめる広い広い世界の片隅に、留守番組を見つけて、思いやってくれてありがとう。それをちゃんと言葉にして、ブログに乗せて伝えてくれてありがとう。一生忘れられないブログになりました。

 いつか絶対に会いに行きます。待ってるね、って言ってくれたのも、本当にうれしかった。生きてればいつか会えると信じて。そのときが来たら、全力でありがとうを叫ばせてください。

 

 Mania、開幕おめでとうございます。どうか無事に全日程完走できますように。